アプリの「許可」設定、見直していますか?個人情報が守れる簡単な確認方法
スマートフォンに入れたアプリ、その「許可」設定を気にしていますか
日々の暮らしの中で、スマートフォンは私たちの生活に欠かせないものとなりました。様々なアプリをインストールし、便利に活用されていることと思います。アプリを使い始める際、多くの場合、位置情報へのアクセスや連絡先へのアクセス、写真へのアクセスなど、いくつかの「許可」を求められます。その一つ一つを立ち止まって考えず、なんとなく「許可する」を選んでいないでしょうか。
たくさんのアプリに様々な情報へのアクセスを許可していることに、漠然とした不安を感じたことがあるかもしれません。実は、このアプリの「許可」設定が、知らないうちにあなたの個人情報が第三者へと渡ってしまうリスクに繋がっている可能性があります。
データブローカーと呼ばれる事業者たちは、様々な方法でインターネット上の個人情報を収集しています。その収集源の一つとなりうるのが、私たち自身が許可を与えたアプリからの情報なのです。この記事では、アプリの「許可」設定がなぜ個人情報の流出リスクに繋がるのかをご説明し、誰にでもできる簡単な見直し方法をご紹介します。
アプリが求める「許可」(権限)とは何か
アプリをインストールしたり、特定の機能を使おうとしたりする際に、「○○へのアクセスを許可しますか?」というメッセージが表示されることがあります。これが、アプリがあなたのスマートフォンの特定の情報や機能を利用するための「許可」、専門用語では「権限」と呼ばれるものです。
例えば、カメラアプリであればカメラへのアクセス、地図アプリであれば位置情報へのアクセスが必要です。これらはアプリがその機能を提供するために理にかなった要求と言えるでしょう。しかし中には、アプリ本来の目的とは関係なさそうな情報へのアクセスを求めてくる場合もあります。例えば、単なるゲームアプリが連絡先へのアクセスを求めてくる、といったケースです。
アプリ開発者は、ユーザーが許可した範囲内でスマートフォンの情報にアクセスできるようになります。そして、その情報をアプリの機能改善やサービス提供のために利用します。
なぜ「許可」設定が個人情報リスクに繋がるのか
アプリに様々な情報へのアクセスを許可すること自体が、直ちに悪いことというわけではありません。問題は、その情報がどのように扱われるか、そして誰の手に渡る可能性があるか、という点です。
アプリ開発者が収集した情報は、統計的な分析やサービスの向上に使われることが一般的ですが、中にはユーザーの行動分析やターゲティング広告のために利用されることもあります。さらに、プライバシーポリシーの記載によっては、収集された情報が第三者、例えばデータブローカーに提供される可能性も否定できません。
必要以上の許可を与えてしまうと、アプリ開発者や提携する第三者が、あなたの位置情報、連絡先の情報、カレンダーの予定、スマートフォンの識別情報など、本来アクセスされる必要のない情報まで収集してしまうことになります。これらの情報がデータブローカーの手に渡れば、あなたの年齢、性別、居住地域といった基本的な情報と結びつけられ、より詳細なプロファイルが構築されてしまうリスクが高まります。
今すぐできる!アプリの「許可」設定を簡単に見直す方法
ご自身の個人情報を守るために、アプリの「許可」設定を見直すことは非常に有効な対策の一つです。幸いなことに、これはスマートフォンの設定画面から誰でも簡単に行うことができます。具体的な手順はスマートフォンの機種やOSのバージョンによって多少異なりますが、一般的な流れをご紹介します。
スマートフォンの設定画面を開く
まず、スマートフォンの「設定」アプリを開きます。
アプリに関する項目を探す
設定メニューの中に、「アプリ」「アプリケーション」「アプリと通知」といった名称の項目がありますので、これを選択します。
アプリ一覧から確認したいアプリを選ぶ
インストールされているアプリの一覧が表示されます。気になるアプリ、あるいは全てのアプリについて、一つずつ確認していくことができます。
「権限」または「許可」の項目を確認する
選択したアプリの詳細画面の中に、「権限」「許可」「アプリの権限」といった項目があります。ここをタップすると、そのアプリが現在どのような情報や機能へのアクセスを許可されているかの一覧が表示されます。
不要な許可をオフにする
表示された権限の一覧を見て、そのアプリの機能に照らし合わせて「これは必要ないだろう」と感じる権限があれば、スイッチをタップしてオフにします。
例えば、オフラインで動作するシンプルなパズルゲームが位置情報へのアクセスを許可されていた場合、それはアプリの機能とは無関係である可能性が高いです。そのような許可はオフにしても、ゲームの利用にはほとんど影響がないでしょう。
「使用中のみ許可」などのオプションを活用する
位置情報など、一部の権限については、「常に許可」「アプリの使用中のみ許可」「許可しない」といった選択肢が用意されています。「常に許可」が必要なアプリは限られますので、通常は「アプリの使用中のみ許可」を選択することで、プライバシーリスクを低減できます。
定期的な見直しを心がけましょう
一度設定を見直せば終わり、というわけではありません。新しいアプリをインストールするたびに許可設定を確認する癖をつけたり、数ヶ月に一度など定期的に見直しを行ったりすることをおすすめします。
スマートフォンのOSアップデートによって設定項目の場所が変わったり、アプリ自体がアップデートで新しい権限を要求してきたりすることもあります。定期的にチェックすることで、常にあなたの個人情報が守られている状態を維持しやすくなります。
まとめ:小さな一歩が個人情報を守る力になる
アプリの「許可」設定を見直すことは、難解な知識や専門的な操作を必要としません。スマートフォンの設定画面から、数分あれば誰でも簡単に行えるプライバシー対策です。
「なんとなく許可していた」状態から、「この許可は必要なのか?」と意識を変えるだけでも、あなたの個人情報が不要に第三者の手に渡るリスクを大きく減らすことができます。これは、データブローカーから自身の情報を守るための、非常に有効な第一歩と言えるでしょう。
今日から早速、スマートフォンの設定画面を開いて、インストールしているアプリの「許可」設定を確認してみてください。小さな一歩が、あなたの個人情報を守る大きな力となります。