ブログやウェブサイトの情報、データブローカーに見られていますか?公開情報から知られるあなたのこと
あなたがインターネットで公開している情報は誰が見ているのでしょう
インターネット上にブログやウェブサイトを開設し、日々の出来事や趣味、考えなどを発信することは、今や多くの方にとって身近な行為です。自分の情報を自由に公開できる場として活用されています。しかし、あなたがそこで公開している情報が、思わぬ形で「データブローカー」と呼ばれる事業者に収集され、利用されている可能性があることをご存知でしょうか。
データブローカーは、インターネット上を含む様々な場所から個人に関する情報を収集し、それらを組み合わせて、企業などに販売することを生業としています。あなたがブログやウェブサイトに書き込んだ内容は、まさに彼らにとって貴重な情報源となり得るのです。今回は、あなたが公開している情報がデータブローカーにどのように見られているのか、そしてどのようなリスクがあり、どのように自分自身を守るべきかについてお話しします。
データブローカーはブログやウェブサイトの情報をどう集めるのか
データブローカーは、インターネット上に公開されている情報を自動的に収集する技術(クローリングやスクレイピングなどと呼ばれます)を使って、ブログやウェブサイトの内容を大量に集めています。これらの技術は、検索エンジンの仕組みなどにも使われる一般的なものですが、データブローカーはこれを利用して、個人のブログ記事、自己紹介ページ、コメント欄などから情報を吸い上げています。
集められる情報の種類は多岐にわたります。例えば、あなたがブログに書いた趣味、興味、訪れた場所、年齢に関する記述、職業、家族構成、日々の悩みや考え方など、意図せず個人が特定されたり、あるいはプロファイリング(個人の詳細な傾向や属性を推測すること)につながるような情報が含まれている可能性があります。
これらの情報は、他の場所(例えば、公開されているSNSプロフィール、購入履歴データ、アンケート回答など)から収集されたデータと組み合わされます。そうすることで、あなたの人物像がより詳細に、そして正確に作り上げられていくのです。
見落としがちな「公開情報」の落とし穴
ブログやウェブサイトで、悪意を持って個人情報を公開しているつもりのない方がほとんどでしょう。しかし、日々の出来事を書く中で、うっかり個人を特定できるような情報を含めてしまったり、過去に書いた記事に今となっては公開しておきたくない情報が残っていたりすることがあります。
例えば、以下のような情報が、データブローカーにとって価値のある情報源となり得ます。
- 自己紹介ページ: 氏名、年齢、居住している市区町村名、出身校、勤務先、家族構成、ペットの種類など、詳細なプロフィール情報
- 日常の記述: 自宅やよく行く場所の周辺の具体的な情報、特定の時期の行動パターン、健康状態、経済状況を示唆する情報
- 写真や画像: 写真の内容そのものから、場所や状況、一緒に写っている人物などを推測できる情報(写真のメタデータだけでなく)
- 過去の記事: 過去に掲載した記事の中には、現在の状況からは削除したい情報が含まれている可能性
- コメント欄: 読者や他のユーザーとのやり取りの中で、意図せず個人情報が共有されたり、関係性が明らかになったりする可能性
これらの情報は、一つだけ見れば大したことがないように思えても、他の情報と組み合わせられることで、あなたのプライバシーに関わる詳細なデータセットが作成されてしまうリスクがあります。
ブログやウェブサイトの情報をデータブローカーから守るための対策
ブログやウェブサイトでの情報発信を続けながらも、データブローカーによる過度な情報収集から自分を守るためには、いくつかの対策を講じることが重要です。
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公開範囲の見直し: もしブログやウェブサイトのプラットフォームに公開範囲を設定する機能があるなら、それを活用することを検討してください。例えば、友人や家族限定で公開する、特定のメンバーのみに公開するなど、不特定多数に情報が見られないようにすることで、データブローカーによる収集のリスクを減らすことができます。
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記述内容の再確認: ブログ記事を書く際には、具体的な個人情報を含めないよう意識することが大切です。氏名、住所、電話番号、正確な生年月日、勤務先、通っている学校など、個人を特定しやすい情報は避けるようにしましょう。また、日常の出来事を書く際も、場所や人物、具体的な時期を特定できるような表現は控える工夫が必要です。
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過去記事の点検: ブログを長く運営している場合、過去の記事に現在の感覚では公開しておきたくない情報が含まれていることがあります。定期的に過去の記事を見直し、個人情報が含まれていないか確認し、必要に応じて削除または修正することをおすすめします。
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匿名性の維持: 本名ではなく、ハンドルネームやニックネームを使用することで、インターネット上での活動と現実の自分との関連性を切り離すことができます。ただし、他のSNSやサービスで実名を使用している場合、それらの情報と紐付けられる可能性も考慮する必要があります。
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コメント欄の管理: コメント欄を設けている場合は、個人情報が書き込まれていないか定期的に確認し、必要に応じて削除するなどの対応をしましょう。また、コメントは承認制にする、個人情報の書き込みを控えるよう注意書きをするなどの対策も有効です。
定期的な見直しで安心を保つ
インターネット上での情報発信は、私たちの生活を豊かにする素晴らしいツールです。しかし、そこで公開される情報がどのように扱われるかを知っておくことは、自分自身のプライバシーを守る上で非常に重要です。
データブローカーによる情報収集は、私たちが思っている以上に広範囲にわたる可能性があります。ブログやウェブサイトに書いた些細な情報が、他の様々なデータと結びつけられ、詳細なプロファイルの一部となることも少なくありません。
今回ご紹介した対策は、どれも今日から始められる簡単なものばかりです。ご自身のブログやウェブサイトを、一度立ち止まって見直してみてください。少し意識するだけで、大切な個人情報を不必要なリスクから守ることにつながります。定期的な点検を習慣にすることで、安心して情報発信を続けることができるでしょう。