知らないと損する個人情報

健康アプリやスマートウォッチ、あなたの健康情報どう使われる?データブローカーから守る方法

Tags: 健康アプリ, スマートウォッチ, ウェアラブルデバイス, 個人情報, データブローカー

日常の健康管理も個人情報のリスクに?健康アプリやスマートウォッチの情報収集

日々の体調管理や運動記録のために、スマートフォン向けの健康アプリやスマートウォッチといったウェアラブルデバイスを利用されている方も多いのではないでしょうか。手軽に体の状態を把握できる便利なツールですが、これらのデバイスが収集する私たちの「健康情報」が、知らないうちに第三者であるデータブローカーに渡り、利用される可能性があることをご存知でしょうか。

ここでは、健康アプリやスマートウォッチからどのような情報が収集され、それがどのようにデータブローカーに関わるのか、そして私たちがそのリスクから身を守るためにできる具体的な対策について解説します。

健康アプリやスマートウォッチが収集する情報とは

健康アプリやスマートウォッチは、私たちの体の様々な情報を収集します。例えば、以下のような情報が含まれます。

これらの情報は、私たちがより健康的な生活を送るための貴重なデータとなります。しかし、こうした非常にパーソナルな情報が、アプリの提供元だけでなく、さらにその先のデータブローカーと呼ばれる企業に渡ってしまうケースがあるのです。

データブローカーが健康情報を欲しがる理由

データブローカーは、様々な場所から個人に関連するデータを集め、それを整理・分析し、他の企業に販売することを生業としています。彼らにとって、健康アプリやスマートウォッチから得られるデータは非常に価値が高いものです。

なぜなら、健康情報は個人のライフスタイル、健康状態、習慣などを色濃く反映しているからです。これらのデータを他の個人情報(年齢、性別、居住地、興味関心など)と組み合わせることで、特定の病気にかかりやすい層、特定の健康食品やサービスに興味を持ちそうな層など、非常に詳細な「個人プロファイル」が作成されてしまう可能性があります。

このようなプロファイルは、特定の健康関連商品や保険商品のターゲット広告に利用されたり、場合によっては個人の信用評価に影響を与えたりする可能性も指摘されています。自分の健康管理のために使っていた情報が、意図しない形で利用される可能性があるというのは、看過できない問題です。

健康情報をデータブローカーから守るための対策

それでは、私たちはどのようにして、健康アプリやスマートウォッチからの個人情報をデータブローカーのリスクから守ることができるのでしょうか。いくつか具体的な対策をご紹介します。

1. アプリのプライバシーポリシーと利用規約を確認する

新しい健康アプリを利用開始したり、スマートウォッチを使い始めたりする際は、必ずプライバシーポリシーと利用規約を読みましょう。どのような情報が収集され、誰と共有される可能性があるのか、利用目的は何なのかが記載されています。理解できない点があれば、利用をためらうことも重要です。

2. 必要以上の情報提供を避ける

アプリやデバイスの設定で、どの情報を共有するか、あるいはアクセスを許可するかを選択できる場合があります。ご自身の利用目的に必要のない情報(例えば、位置情報連携など)は、共有をオフに設定することを検討しましょう。

3. アプリやデバイスのプライバシー設定を見直す

多くの健康アプリやスマートウォッチには、プライバシーに関する設定項目が用意されています。データの共有範囲、匿名化設定、連携する他のサービスなどを細かく確認し、ご自身が許容できる範囲に設定しましょう。初期設定のままになっていることが多いので、一度確認することをお勧めします。

4. 連携サービスを慎重に選ぶ

健康アプリやスマートウォッチのデータを、他のフィットネスサービス、SNS、あるいは健康管理プラットフォームなどと連携できる機能があります。便利な機能ですが、連携先のサービスもあなたの健康情報にアクセスできるようになります。連携を許可する前に、連携先のサービスの信頼性とプライバシーポリシーを必ず確認してください。

5. 不要になったデータやアカウントは削除する

使わなくなった健康アプリや古いデバイスに関連付けられたアカウント、蓄積されたデータは、そのまま放置せず、適切に削除する手続きを取りましょう。データが残っている限り、情報漏洩のリスクはゼロになりません。

まとめ:便利なツールを安全に使うために

健康アプリやスマートウォッチは、私たちの健康的な生活をサポートしてくれる素晴らしいツールです。しかし、そこで扱われる情報は非常にデリケートな個人情報であることを常に意識しておく必要があります。

ご紹介したようなプライバシー設定の見直しや利用規約の確認など、少しの手間をかけるだけで、あなたの貴重な健康情報がデータブローカーによって意図せず利用されるリスクを減らすことができます。ご自身の情報を守る意識を持ち、便利なツールを安全に利用していきましょう。