なぜ迷惑電話が多い?あなたの電話番号がデータブローカーに渡る仕組みと対策
迷惑電話や不審なSMS、なぜあなたにかかってくるのでしょう?
日々、身に覚えのない電話がかかってきたり、不審なSMSメッセージが届いたりして、不安を感じることはありませんか。なぜ、あなたの電話番号が知られているのだろうと疑問に思われるかもしれません。
その背景には、あなたの個人情報を収集し、様々な企業に販売している「データブローカー」の存在がある可能性があります。私たちがオンラインやオフラインで行う様々な行動を通じて、電話番号を含む個人情報がどのように集められ、利用されているのか、そしてどのようにすれば自分自身で情報を守ることができるのかを見ていきましょう。
あなたの電話番号はどのようにしてデータブローカーに渡るのか
データブローカーは、合法・非合法を問わず、様々な方法で個人情報を収集しています。あなたの電話番号も例外ではありません。主な情報源としては、以下のようなものが考えられます。
オンラインでの情報提供
ウェブサイトの会員登録、アンケートへの回答、懸賞への応募、アプリの利用登録などを行う際に、電話番号を入力することがあります。これらのサービスの一部には、あなたの個人情報を第三者(データブローカーを含む)に提供することを、利用規約やプライバシーポリシーに記載している場合があります。特に、「提携企業からの情報提供を希望する」のようなチェックボックスに何気なく同意してしまうと、あなたの電話番号が共有される可能性があります。
オフラインでの情報提供
インターネットだけでなく、オフラインでの情報提供もデータブローカーの情報源となり得ます。お店の会員カードの申込書、イベントの応募ハガキ、懸賞付きの商品についている応募券などに電話番号を記入した場合、その情報がデジタル化され、データブローカーに販売されることがあります。特に、個人情報の利用目的や第三者提供について、小さな文字で書かれた規約をよく確認しないまま提出してしまうケースです。
公開情報や名簿
電話番号が記載された公開情報(例えば、過去の住所録やオンラインで公開された情報)が収集・整理されることもあります。また、様々な名簿情報が売買されているケースもゼロではありません。
情報の売買や漏洩データ
様々な経路で収集された個人情報のリストは、データブローカー間で取引されたり、思わぬところからデータが漏洩したりすることもあります。一度データブローカーの手に渡った情報は、他の個人情報(氏名、住所、メールアドレス、年齢、興味関心など)と紐付けられ、より詳細な「あなた」のプロファイルが作成されてしまいます。このプロファイル情報が、特定のターゲットに向けた迷惑電話やSMS、ダイレクトメールなどに利用されるのです。
データブローカーから電話番号を守るための対策
あなたの電話番号がデータブローカーに渡るリスクをゼロにすることは難しいかもしれませんが、リスクを減らし、不要な電話やSMSを回避するための対策はいくつかあります。自分にもできることから始めてみましょう。
1. オンラインサービスの利用規約やプライバシーポリシーを確認する
新しいサービスに登録する際や、既存のサービスの設定を見直す際には、必ず利用規約やプライバシーポリシーを確認する習慣をつけましょう。「個人情報を第三者に提供する」といった記載がないか、特にデータブローカーやマーケティング目的での利用について注意深く読みます。同意する前に、情報がどのように使われるかを理解することが重要です。
2. 個人情報の利用目的をよく確認して記入する
アンケートや応募ハガキなど、オフラインで個人情報を記入する際も、利用目的を必ず確認しましょう。「第三者への提供」や「提携企業からの情報提供」に関する項目がないか、あればチェックを外すか、提供しない選択肢があるかを確認します。本当に必要な情報以外は提供しないように心がけることも大切です。
3. 不要なオンラインアカウントや会員情報を削除する
今はもう利用していないオンラインサービスや、かつて登録した会員情報がそのまま残っていると、そこから情報が漏洩したり、利用規約の変更によって情報提供の対象になったりするリスクがあります。不要なアカウントは削除し、登録した個人情報(電話番号を含む)を消去する手続きを行いましょう。
4. 電話番号に関する設定を見直す
スマートフォンの設定で、発信者番号通知のない電話を拒否する設定や、特定の電話番号からの着信を拒否する設定を活用しましょう。また、契約している携帯電話会社が提供する迷惑電話対策サービスや、信頼できる迷惑電話対策アプリの利用も検討できます。
5. 公開している情報を見直す
もしブログやSNSなどで意図せず電話番号を公開している場合は、すぐに削除しましょう。インターネット上に一度公開された情報は完全に消去することが難しい場合もありますが、これ以上情報が拡散しないようにするための重要な一歩です。
まとめ
あなたの電話番号が、思わぬ形でデータブローカーの手に渡り、迷惑電話や不審なメッセージの原因となっている可能性があることをご理解いただけたでしょうか。
完全にリスクを排除することは難しい現代社会ですが、私たちが普段何気なく行っている行動を見直し、どこで個人情報を提供しているのかを意識するだけでも、リスクを大きく減らすことができます。
今回ご紹介した対策は、どれも今日から始められるものばかりです。まずは一つからでも良いので、ご自身の情報管理について意識を高め、大切な個人情報を守るための一歩を踏み出してみてください。知っているだけで、自分を守るための行動が変わります。